人はできなかったことを反省するように教わります。
ですが、本当にそれは改善するための良い方法なのでしょうか?
たしかに反省すると、これまでの行動の悪かった部分が見えてきます。
そして、同じ過ちをしないように努力しようと考えるわけです。
ですが、多くの人は一時的には改善できたとしても、
長いことその努力を続けることができず、さらには、
改善しようと思うことすらやめてしまうのです。
それは、反省をして「次はやらないようにしなければならない」と思うことは、
やりたいことではなく、やらないといけないという感情だからです。
人は、やらないといけないということを嫌います。
そして、それは強い外部からの圧力がないかぎり逃げ出してしまうのです。
例えば、会社に出勤しないといけないというのは、
外部からの圧力があるため、日々続けることができます。
ですが、外部からの圧力がない自分の心の中だけで
やらないといけないと思うことは、強い意志がないかぎり続かないのです。
このように、反省して「しなければならない」と思うことは、
得てして続かないようにできているのです。
ですから、できなかったことに反省することは、
改善するためにはあまり良くないと思えるわけです。
では、できなかったことをどうするのかいう疑問があると思います。
そこで提案したいのは、できなかったことの反省するのではなく、
できたことを称賛してあげることです。
例えば漢字ドリルを10ページやるという目標があったとします。
でも実際にできたのは6ページでした。
今までなら残り4ページできなかったことに反省して、
次は10ページやらないといけないと考えるわけです。
ですが、これからはそうではなく、10ページが目標だったが、
6ページはできたことを褒めてやるのです。
そうすることで、次は7ページやれるようにしたいと思えるようになるのです。
つまり、反省すると次へのアクションが「しなければならない」になるのに対し、
称賛すると「したい」に変わるのです。
先ほども言ったように、人は「しなければならない」では続きません。
その代わり「したい」という感情は欲求なので続けられるのです。
できなかったことを改善する方法は、
できるようになるまで実践するしかありません。
つまり、できるようになるまで継続しないかぎりは改善はできないのです。
ですから、反省して「しなければならない」という感情を生み出すよりも、
称賛して「したい」という感情を生み出してやることが重要なのです。
漢字ドリルも、無理して10ページが1週間できても意味がありません。
6ページや7ページを1年続けることのほうが、よっぽど意味があるのです。
人は反省することが大切だと教わります。
確かに過ちに対して反省することは大切です。
ですが目標や努力に対して反省することは良い方法だとは思えません。
もしあなたが、できなかったことを改善しようと思っても続かないのであれば、
反省ではなく称賛することを試してみてください。
「しなければならない」ではなく、「しない」という感情でないかぎり、
人は継続することができません。
他人は褒めて伸ばすと言われるように、自分も褒めて伸ばすのです。
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