こちらは「看護師向け転職支援スクール HandL」を運営されている企業様が、ポテクトを「転職支援、キャリアコーチング」で活用いただけた導入事例です。

今回インタビューに応じてくれた企業様

HandL(株式会社ChaChaXと株式会社REGIEの共同プロジェクト)
株式会社ChaChaX 汐月聡子 様 https://twitter.com/Shioko5
株式会社REGIE 宮崎博貴 様 https://regie.co.jp/

はじめに

藤浦

本日は、HandLの汐月さま、宮崎さま(以下敬称略)に、導入いただいたポテクトについてお話を伺っていきます。

よろしくお願いします。

汐月

はい、よろしくお願いします。

宮崎

よろしくお願いします。

Q. HandLの活動内容を教えてください。

藤浦

まず、はじめにHandLがどういった活動をされているか教えてもらえますか。

汐月

簡単に言いますと、主に看護師さんを対象に、一般企業への転職をサポートしています。

看護師さんたちは、企業への転職を考えても、あまりにも異業種すぎることや、学生時代にほとんど就職活動をしてこなかったこともあって、何をどうしていいのか分からず足踏みしてしまうことが多いのです。

企業では医療機関で働いていた方を求めていたり、本人たちも暦通りの生活を求めていたりと需要と供給は一致しているのに、そこに至るまでのプロセスや入社後の不安もあって一歩踏み出せないわけです。

そこで、私たちはそんな方々に、大学生が就職活動でやるような自己分析からはじめて、本当に企業で働きたいのか時間をかけて動機を確認したり、本格的に転職活動をするのであれば、職務経歴書やエントリーシートの書き方などをアドバイスしたりしています。

また、最終的に転職したいという希望があれば、REGIE(宮崎)さんから求人紹介もしています。

藤浦

看護師さんは、大学生がやっている自己分析などの就活準備をやらずに来てしまうものですか?

汐月

まったくやらないですね。その代わりが国家資格になっています。

藤浦

では、看護師さんが一般企業への転職を考えたときに、その知識は大学生がこれから就活をはじめるレベルといった感じですね。

汐月

はい。さらに、周りに一般的な就活経験のある先輩がいるわけではないので、本当にゼロからのスタートで、何からはじめていいのか分からずに困っています。

藤浦

なるほど。そういった悩みがあるのですね。では、そういった悩みに気づいて、なぜそれをサポートする活動を始めようと思ったのですか?

汐月

私の場合は、自分自身の(看護師から)企業への転職経験からやってみたいと思ったのがきっかけというか、むしろ需要のほうが先にあった感じです。

自分のTwitterで、「看護師だったけど、一般企業で働いているよ」といった発信をしていたところ、ちょうどコロナ(新型コロナウイルス感染症)で医療機関が大変な時期だったこともあってか、転職方法を聞かれたり、質問がたくさん来たり、すごい反響があったわけです。

それで、「これって需要があるな」と感じて、それに応じるようにセミナーなどをはじめた感じです。

汐月

宮崎さんはどうですか?

宮崎

2つあって、1つは汐月さんと同じくニーズがあったからですね。私は薬剤師の資格を持っているのですが、自分の周り(薬剤師)の方たちから「社会人の歴を重ねていくなかで充実感を感じなくなっている」といった悩み相談を受けることが多くなりました。

そこで、そういった方のお役に立ちたいと考えるようになったことです。

もう1つは、大きなテーマになるのですが、医療業界を良くしたいという観点です。

ヒト・モノ・カネが無くなり、医療業界(臨床)が破綻すると言われていますが、その解決策の1つが医療従事者の一般企業への転職ではないかと。

藤浦

ほう……。

宮崎

医療従事者は、医療業界が好きで臨床の仕事に誇りを持っているのですが、体力的問題や職場環境の問題で働きたくても働けなくなっている人が多くいます。

まずは、そういう人たちに、自分たちが臨床以外の場所でも働けるということを知ってもらいたいです。

そして、その外に出た経験を臨床に戻ってきたときに活かしてほしいです。

例えば、IT系の企業で働いたのであれば、ITと医療の橋渡し的な活躍ができるわけです。こういった異業種からの人の流れは医療業界への参入のハードルを下げることにもつながると思います。

そこにチャレンジするために、まずは、くすぶっている医療者の選択肢を増やすことがその一歩目だと思い、この活動をはじめました。

そして、そのタイミングで、すでに始めていた汐月さんの存在を知って、「一緒にやりませんか?」とお声がけさせていただきました。

藤浦

なるほど。そこで二人がつながってくるわけですね。

「医療従事者を一般企業に転職」という言葉の表面だけを見てしまうと、医療業界にとってマイナスではないかと思えてしまいますが、そうではなく、今の現場で苦しんでいる人に、まずは外に出てもらって、それからグルっと回って医療業界を良くしてほしいといった感じですかね?

汐月

そうですね。

宮崎

おっしゃる通りです。

汐月

実際に看護師さんと話をしていると、働けるのだったら現場で活躍したいと思っている方がすごく多いのです。

でも、ちゃんと時間に帰れる、有給が取れる、産休育休が気兼ねなく取れる、ちゃんと昇給する、そういった当たり前のことが叶えられないために、普通の生活を求めて医療の現場から離れてしまうわけです。

ですから、宮崎さんがお話されたような循環ができることで、戻りたくなるような現場が作れるのではないかと思っています。

その第一歩が外を知ることや一般企業での経験だと考えているのですが、はたから見たら真逆の取り組みをしているように見えてしまう部分があるのかなと思っています。

藤浦

なるほど。看護師さんの場合、女性の方が多いので、働き方を大事にしないといけない時期もあると思います。

生活のバランスを取る必要があるときには一度外に出て、落ち着いてからまたやりたい医療の現場に復帰できるといいかもしれませんね。

看護師という資格は、現場にも戻りやすいと思うので。

汐月

今、自分たちが思っている労働環境の当たり前は、一般的な認識とは大幅なズレがあるということに気づいてほしいですし、それを変えていくことがわかりやすい循環のトピックかなと思っています。

藤浦

そうですよね。一般的な働き方を知っている人がたくさん医療の現場に入ってくることで、医療の現場も変わらざるを得ない状況になりますしね。

汐月

そうなればいいと思いつつ、まずは、寝るためだけに家に帰る、仕事のために生きているといった状況から抜け出してもいいと知ってほしいし、そのための方法も一緒に考えて行動につなげるサポートがHandLの事業になっています。

藤浦

たしかに、個人として苦しんでいるのであれば、その人たちが幸せに働ける場所を求めていくのは当然のことですし、それで困っているのであれば手を差し伸べてあげたいですね。

Q. これまでのHandLの活動を教えてください。

藤浦

そういった想いを持ってスタートしたHandLの活動ですが、はじめた当初はやっぱり大変でしたか?

汐月

ごちゃごちゃもいいところで、無から有を生み出すことの大変さを痛感していました。

現在も開催している無料勉強会をはじめてすぐに、想定を大幅に上回る申し込みが来てしまったことも混乱の大きな要因でした。嬉しい悲鳴ではあるのですが。

藤浦

それだけニーズがあったということですね。

汐月

正直、そんなになんだと思いました。

参加されたみなさんが口を揃えて「一生看護師だけで終わるのかは考えている。今すぐ転職というわけではないけど」と言われるのですが、そういった長期的に見ている方からの反響も大きかったですね。

藤浦

最近になってキャリアコーチングという言葉が認知されてきたように、これまであまりなかったキャリアアップ支援や自己研鑽のサービスが増えてきたのにも関係がありますかね?

汐月

HandLの場合は、対象が看護師だからという部分は大きいと思います。

まず、一般の方に比べて知らないことが多いということに自覚があること、また、職業柄失敗することを恐れる方が多いので、しっかりサポートしてもらいたいと考えるのではないでしょうか。

宮崎

まず、キャリアコーチングのサービスが増えてきた理由として、1つはキャリアのあり方の変化、終身雇用の破綻、ジョブ型雇用への変化、フリーランスといいう働き方、副業や複業と、働き方が変わってきたのに自分がそれについていけてないこと、企業と求職者をつなぐサービスもそれについていけてない状況があると思います。

2つめに、新型コロナウイルスの影響で、立ち止まって考える時間が増えたことや孤独を感じたり自分を見つめ直す時間が増えたりしたこともあると思います。

そのなかでも、コロナは医療従事者への影響は特に大きかったこと、そこに汐月さんが言われた看護師ならではの特徴もあいまってHandLの活動がフィットしたのではないかと思っています。

汐月

コロナの影響で、現場がより過酷になったこと、医療業界の働き方が世間から注目されたことで、自分の働き方や人生を本気で考える人が増えたわけです。

そのタイミングでHandLが活動しはじめたという時期の一致は大きかったのかもしれません。

藤浦

なるほど。コロナといった予期せぬ社会の変化がきっかけかもしれませんが、個人が自分の今後の働き方や生き方を考えて、自己投資していきたいと思いはじめたことは、個人的には良い変化ではないかと感じています。

Q. HandLの魅力はどんなところですか?

藤浦

次の質問ですが、HandLさんを利用する魅力を教えてもらえますか?

汐月

そうですね……。周りに聞ける人がいない、前例がない、看護師が企業に行けることを教えてくれるところがないという悩みを持っている方にはピッタリなのかなと。

あとは、お世辞かもしれませんが「汐月さんなら」といった感じで、私のキャラクターに共感して利用してくれる方が多いようなので、そのあたりもあるかもしれません。

HandLは、なぜか高学歴の利用者さんが多いのですが、その方たちは他にも似たような活動をされている団体もいくつかあるなかから選んでくれているので、何か差別化できているのだと思います。

宮崎

おっしゃる通りで、汐月さんが信頼されているのだと思います。TwitterやLINEグループでの発信、勉強会やセミナーに参加してくれた人たちが、この人はちゃんとしているなと理解してくれたことが大きいと思います。

あとは、我々が当事者(医療現場の経験者)であることですかね。医療業界や医療従事者への理解は当たり前で、目指す先(一般企業)の理解もできているメンバーで構成されているので、そこに期待されている部分もあるかと思います。

あとは、我々がカンセリングや相談にのっているわけではなく、個人コンサルティングしているところは、他との差別化になっていると思います。

自己分析して自分を理解しようといったコーチングをされている方たちは乱立しているのですが、我々は、そのあとのソリューション(キャリアデザイン)が得意なので、そのあたりも評価いただけているのかなと。

汐月

あとは、おかげさまで口コミが多いので、私たちが提供している勉強会やセミナーが期待以上だったこともあるかもしれません。

セミナーのアンケートでも、10段階評価で9.2の評価をいただけています。

藤浦

それは、口コミで広がりますね。しかも、自分の周りが同じ悩みを持つ医療従事者ばかりとなれば、すぐに教えたくなるでしょうから。

お話をまとめると、「汐月さん」という人の信頼性にはじまって、求めていることにマッチしたコンテンツ、さらに期待値以上の体験、先を見据えたコンサルティングといったところが魅力といった感じですね。

よくわかりました、ありがとうございました。

藤浦

では、HandLさんについてのお話はここまでとして、続いては導入されているポテクトについて色々とお聞かせください。

Q. ポテクトを導入する前にどんなことで悩んでいましたか?

藤浦

ポテクトを導入する前に、漠然とした悩みや困りごとはありましたか?

汐月

私はそういうツール(適性検査)にうとくて、宮崎さんからおすすめされたので、じゃあ入れましょうといった感じでした(笑) 結果としては使ってよかったなと。

宮崎

自己理解を深めるための飛び道具的なものが欲しいなと思っていました。

一歩目のアクションとして、こういったツールはすごくいいなと思っていて、自社にはそれがなかったので探していました。

ポテクトと○○(某有名な強み分析ツール)を検討していたのですが、知り合いの紹介もあってポテクトに決めたといった流れになります。

汐月

いざやってみて、すごいなと思っています。家族とかにもやってもらっているのですが、ほんとそのとおりの結果なので。

Q. どのような経路で、ポテクトにたどり着きましたか?

藤浦

ポテクトを知った経緯を教えてもらえますか?

宮崎

最初は、ウェブ検索で「有料 自己分析ツール」といったキーワードで調べたときに、そういったツールのまとめサイトが出てきて、そのなかでポテクトを見つけました。

そこに載っていた他のツールも検討して、最終的にはポテクトに決めた感じです。

Q. ポテクトの導入検討時に、どのような障壁(課題や不安)がありましたか?

藤浦

導入検討後、実際に導入にあたっての課題や不安などありましたか?

宮崎

プランが無料のものも含めて4つくらいありますよね、そのなかでどれがフィットするのかなと迷っていました。

最初は、一番高いアドバイスプランを使ってみて、今はベーシックプランに落ち着いた感じです。

キャリアコーチングで使われている事例などが見当たらなかったので、採用や社員研修で使われているツールをどのようにフィットさせるのか悩みました。

藤浦

そうですね。キャリアコーチングという分野での利用が多くなったのは最近のことで、私たちもそこでの活用に気づいていなかったというのが正直なところです。

HandLを含めキャリアコーチングで利用してくれるケースが増えてきたことで、ニーズがあることに気付かされました。

Q. 何が決め手となって、ポテクトの導入を決めましたか?

藤浦

そういった課題があったなかで、最終的に導入しようと決めた理由を教えてもらえますか?

宮崎

最初は、お試し的にキャリアトレーニングのなかで使ってみた感じだったのですが、結構利用者さんのグリップを握れた、ニーズに応えられたという感覚を得られたことですね。

キャリアデザインの一歩目として、ポテクトの分析結果を見ながらその先の企業へのアプローチの仕方などについて話していたら、利用者さんにご好評いただけたことが大きかったです。

結局、3ヶ月くらい実際に試してみて、これを利用する価値があると最終的に判断して本格導入を決めました。

藤浦

利用者さんとの間に、客観的なもの(適性検査の結果)があるだけで、よりコミュニケーションがうまくいったりしますかね?

宮崎

そうですね。他の自己分析ツールと比べて難易度が低いといいますか、はじめて使う方にも分かりやすい表現がたくさんあって、転職活動でもそのまま使えるような言語化がされているところがいいですね。

藤浦

そこは、個人でも適性検査を活用して自己理解を深めてほしいというポテクトのこだわり部分なので、そこがうまく作用しているのは嬉しいことです。

Q. ポテクトをどのように活用されましたか?

藤浦

実際に導入された後、具体的にどういった活用をされましたか?

宮崎

主に、自己理解の1つのツールとして、特に強みとなりうる資質とポテンシャルを知ってもらうこと、転職活動においてその一歩目を知ってもらうことに活用しています。

汐月

あと、私たちが看護師をメインにしていることもあって利用者さんは女性が多いので、こういった分析ツールが基本的に好きなわけです。

セミナーで、私のポテクトの結果を見せたときに、「あの分析が気になっています」といった感じで声をかけてくれる人もいます。

そういったアイキャッチ的な役割としても役に立っていると思います。

宮崎

あとは、自信をつけてもらうことに活用しています。

利用者さんに高学歴の人が多いこともあって、以前は勉強や受験の成功体験があったのに、臨床の現場に出て自信を失ってしまった人が多くいます。

ポテクトの結果は、客観的評価と自己評価を比べることができるので、そういった方に、客観的評価が高いところについて「もっと自信を持っていいよ」と声掛けするのは効果的だと感じています。

藤浦

面談者だけが言っているのではなく、第三者的なツールの結果がそれを後押ししてくれると、説得力があるかもしれませんね。

汐月

よくあるセッションだけで、その人の良いところを発見していくと、どうしても主観が入ってしまいますよね。

でも、「こういった結果が出ているから」と言えると、納得度が断然高くなります。

Q. 実際に利用してみて、良かった点は何ですか?

藤浦

ポテクトを利用して良かったなという点はどんなところですか?

宮崎

まず、客観的評価をすぐに見ることができることが1つ。

あとは、我々みたいにゼロイチスタートの場合はコンテンツが何もないので、分析結果をその1つとして見てもらうことができるのは飛び道具的にも良かったですし、ちゃんとやっているという信頼にもつながったと思います。

あとは、ポテクトの結果にはワークシートがセットでついてきますよね。あれがあると、ただ結果を伝えるだけでなく、「あとで振り返りしてみてください」といったお土産的なものを渡せるのがいいですね。

あと、気質分析やストレス分析のシートでは、その人の「タイプ」が分かりますよね。あれもすごくいいですね。

藤浦

タイプ分類って、みんな好きですからね(笑) ワークシートをお土産として渡すことで、「次につなげていくよ」というフラグを立てる意味合いでも役に立っているのですかね?

宮崎

そうですね。あとは、思い出してもらえるきっかけになりますよね。

汐月

追加で1つあげるとしたら、(ポテクトの)言語化がすごくいいと思っています。

職業特有の限られたコミュニケーションのなかで医療用語などの専門用語ばかりに埋もれていると、自分のことを上手に伝えたり、一般的な社会人として当たり前の回答をしたりできなくなってしまうと感じています。

そこで、いざ転職となったときに、企業から自分の強みを言葉で伝えてくださいと言われても、分からない難しいとなってしまいます。

ポテクトは、そのあたりが言語化されているので、そこに書かれている言葉を拾うことで、社会的に通用する適切な言葉を作れるところがいいですね。ですから、利用者さんには、「ちゃんと読みな」といつも言っています(笑)

藤浦

ありがとうございます。ポテクトの結果は、個人の方でも読みやすい言葉づかいを心がけていますが、それがそういったところでも役立っているのですね。

最後に

藤浦

質問はこれで以上となります。長い時間色々と聞かせていただき、ありがとうございます。

今後のポテクト開発の参考にさせていただきます。

汐月

いえいえ、大丈夫ですよ。こちらこそありがとうございます。

宮崎

ありがとうございました。

▼今回インタビューに応じてくれた企業様
HandL(株式会社ChaChaXと株式会社REGIEの共同プロジェクト)
株式会社ChaChaX 汐月聡子 様 https://twitter.com/Shioko5
株式会社REGIE 宮崎博貴 様 https://regie.co.jp/